これは、もっと悲壮な雰囲気の作品にしたかったんです。やはりなかなか思い通りには行かないものですね。設定や導入部は結構「掴みやすい」感じで行っているので、それで期待して読んでラストでガックリしてしまった人が多かったようです。
主人公は実は身体の頑丈な宇宙人で、この後地面に激突してもかすり傷程度で助かるのだけれど、それと同時にまた記憶を失ってしまい、「ああそうだ、俺はここから飛び降りるんだった」とまたビルの屋上へ登っていく、なんていうオチが提案されたりもしました。確かにこうするとかなりまとまりは良くなりますが、同時にありがちな作品にもなって最初の狙いからは更に離れてしまうんですよね。難しいものです。…って、結局は単に私の筆力不足なんですが。
